にっき。画像にオンマウスで大概なんか説明出ます。

2015.02.01.(Sun) 



2/1、神奈川県立歴史博物館特別展「陸にあがった海軍」+日本郵船歴史博物館オフをしてきました!





この日程を選んだのは「陸にあがった海軍」展で学芸員さんの展示解説があるからで。展示品は撮影不可だったのでテキストのみの感想です。
まず、今回の展示のコンセプトについて説明がありました。
日吉地下壕の調査は随分昔から実施されていましたが、情報や記録、出土品がそれぞれ様々なタイミングで収集されてきており、散逸している恐れもありました。そこで、慶應義塾大学の考古学研究室と共同で、新しく調査をする前に何が何処にあるのか改めて記録することから始めたそうです。また、日吉一帯の施設について、現在でも入坑可能な施設(総延長6kmのうちの563m分)の記録を精密に作り直し現在の地図に落とすこととし、レーザー測量で、現時点でできる限り正確な測量を行ったとのこと。
それらの成果をまとめ、測量結果だけでなく日吉地下壕とそこに関するもの見直すのが今回の展覧会、とのことでした。

なお、展覧会担当の学芸員さんは軍事関係が専門ではなく、考古学が専門だそうです。


展示はまず連合艦隊司令部が日吉に来るまでの経緯から始まります。軽巡「大淀」の図面も展示されていました。
移転先に選ばれた決定打になる資料はないけれど、当時の手記によると、
・海軍省とアクセスがいい
・横須賀と行き来がしやすい
・通信環境がいい(=高台がいい)
・地下施設を造りやすい(平坦なところは下に掘る必要があるが、高台ならば横に掘れば済む)
・手間をかけずに大勢の人間を収容できる
といった点が日吉が選ばれた理由だそうです。慶應のキャンパス以外には、玉川学園、横浜海軍航空隊などの候補がありました。また、慶應の塾長の息子が海軍に入っていて、海軍贔屓で協力的だった、というのもあるそう。慶應義塾と海軍の打ち合わせ記録が展示品にあります。
また、当時から東横線が走っているわけで、事務仕事の人達は今の霞ヶ関と同じように九時五時で日吉に通勤していたのが面白い、って話をされてました。海軍と言っても戦う部署だけじゃないもんなあ。

連合艦隊司令部の地下壕は、移転当初には完成していなかったので、最初のうちは学生用の比較的新しい宿舎を使っていたようなんですけど、これが有名な建築家の設計で、床暖房完備の個室、水洗トイレもダストシュートもクリーニングサービスもあって、露天の浴場からは富士山も見える、なんていう素晴らしいものだったようで。宿舎の建物自体は今でも慶應の寄宿舎として使われているそうです。

あと、中将旗も展示されていました。中将で司令長官になったのは小澤治三郎ですね。展示品の旗は日吉で使われていたものではなく同じ形のものですが、長門で使われていた中将旗(大和ミュージアム所蔵品)だそうで、充分貴重です……。

次は地下壕内の備品について。
展示品に通信用のケーブルがあるんですが、30台の受信機が使われていたっていう証言と、出土したケーブルの中に60本の銅線が入っているということで、上りと下り30本×2でちょうど数が合うので証言が正しいだろう、って推測が成り立つみたいで……面白い。

蛍光灯についても、当時は普及していなかった蛍光灯が地下壕では使われていた、昼間のように明るかった、という証言が前からあったそうなんですが、その証拠がなかなか見つからなかった。そこに蛍光灯のプラグが見つかった。
現代のものではなくて東芝の前身であるマツダ製、そこで東芝に問い合わせたら当時のものの現存品があるというので見せてもらって……という展開。ただ、明るさは現在の半分くらいだそうで、証言をした人が蛍光灯を初めて見て明るく感じたのか、ものすごい本数を使っていたのかはわからないとのこと。

蛍光灯以外の出土遺物で面白かったのがトイレで、白い衛生陶器が出土して水回りのものであることは確実。で、東洋陶器(TOTO)製だってことでTOTOの博物館に問い合わせたら「それは小便器U-5ですね」って型まで特定されてしまったそう。実際に出土したもの(一部)と、それと同じ型のものが、ちょっとした死角に展示されているので必見です。

あとは航空本部で事務仕事をしていた女性が終戦の時に同僚に寄せ書きしてもらった手帳とか(仕事仲間の女の子に描いてもらうつもりが軍人さん達にまで回って、敗戦直後の受け止め方の違いが印象深い)、海軍精神注入棒なんかも展示されています。
後半は日吉から出された指揮に関する展示で、つまり航空機による特攻や大和の沖縄出撃関連でした。大和の陸揚品の参謀長公室のソファ、あれ、前に大和ミュージアムで展示解説ツアーに参加して別室で見せてもらったやつだなあ。普段は展示されてないもののような……。


50分程で展示解説が終わって、あと少し質問の時間を作ってくださって、実は図録がまだ刷り上ってないんですよ(当日は特別展会期2日目)っていうオチもあってアハハハハって感じだったんですけど、まあそこからが怒涛の展開で。
オフ会だったので7人ほどで集まって行ってて、解説のあと少し自由時間設けるので○時に玄関集合ですよーってやってて、さあ次の郵船博物館に移動しようかっていう時に、「あおいさんですか?」って声をかけられて。誰って学芸員さんに。は、把握されてるー!実はTwiPlaで募集かけたり日程調整をしたりしてたのをご覧になってたそうで、うん、バレてた。自分の展覧会は気になって検索しちゃうそうだ。
そのお陰で、追加で色々お話を聞くことができたんですけどね!コンクリートのこととかZ工法のこととか!筑波の地下戦闘指揮所との工法の違いとか!(日吉地下壕はZ8工法、筑波のは多分Z5か6とのこと)(なお、これは展示解説の時に聞いたものだけれど、司令部地下壕のボーリングを実施したところによるとコンクリートの厚さは60cmや50cmがほとんど、部分的には30cmもあるけれどかなり強度を保たれているとのこと。今のトンネルの強度の基準の倍もあるそうです)
鹿屋のコンクリートには貝殻が入っている話とか、全く専門外だけど興味深く聞きました。

Z工法関係の部分については当日の参加者であるいぬさんがツイートをまとめてらっしゃるので、よかったらこちらもどうぞ。他の参加者さんの感想まとめです。
http://togetter.com/li/777334





次は日本郵船歴史博物館へ。わたしは3回目くらいでしたけど、企画展がちょこちょこ変わっていて面白いです。今回は「日本郵船歴史博物館収蔵品展II 船員の記憶、船の記録」でした。郵船の制服もかっこいいな〜海軍とあんまり見分け付かないな〜。水夫さんの帽子にもペンネントが付いていて、余計に海軍っぽさある。企画展で龍田丸の船上の映像が流れていたんですけど、船長さんがインパクト大でした。
郵船歴史博物館、ほんとじっくり見ようと思うと全然時間足りなくなります。引き出しの中まで全部見たい。

最後は中華街でご飯を食べました。超ハイペースで料理が出てくるの面白かったです。最後の方、暖房切られてたよな……。
思わぬハプニングもありつつとても楽しかったのでまたこんな風に集まって博物館巡りしたいな〜と思いました。筑波海軍航空隊記念館とか、皆で行ったら楽しいんじゃないかな。ね、ね?


おまけ。大さん橋から見た風景。





2015.02.22.(Sun) 
妖怪霧島齧り
わたしの正体こんなのって言われてた。

2015.02.28.(Sat) 
2/21、病み上がりというか上がってすらいない体で護衛艦「しらね」に会いに舞鶴に行ってきました。前日38.5度の熱を出していたんですが、1月の舞鶴行きも扁桃炎に邪魔されたし今回こそは、と。
だって!週末の舞鶴が晴の予報になってるのこの日くらいしかなかったし!翌週末どうなるかわからないし!3月の北吸岸壁の公開予定真っ白だし!(と思ったらその後公開予定入ってました……)

当日、熱は37度ちょっとに下がっていたものの、この体で電車の乗り換えはつらかろう、ということで高速バスで中舞鶴まで。中舞鶴から海自の北吸岸壁までは歩いてすぐ、のはずなんですが、この距離さえ徒歩で行くのがきつくて、あ、やっぱり来たのまずかったな、って思いました。そういえば前日碌にごはん食べてなかった。

そんなこんなで北吸岸壁。まだ除けられた雪の塊が残っていました。





3月の退役を待つばかりのしらねさんは、背負い式の砲塔の砲身も外されて、すっかり喫水が浅くなっていました。随分軽くなってるんだろうなあ。マストの天辺もなくなっているような。













お昼は赤れんがで海軍カレーを食べました。食欲出そう、って思ってのカレーチョイスだったんですけど、何のことはない喉が痛くて呑み込めません。敢えての刺激物チョイス。ドMか。
午後はもう帰ろうかと思いもしましたが、残りの子を見ていなかったのでもう一度とぼとぼ歩いて岸壁へ。しらね以外の在泊艦艇はひうち、ましゅう、あたご、あさぎり、はやぶさでした。みょうこうは横須賀でBMD訓練、ふゆづきは三井玉野に帰ってたのかな。









あさぎりさんのがちゃがちゃ感がかっこいい。今の子はシュッとしすぎている(ステルスだから)





そんなわけで、結局公開時間ぎりぎりまで満喫して(動きが緩慢でそれだけかかったともいう)、しらねさんにお別れをして帰りました。

しらねさん、退役まであともう少し。35年間お疲れ様でした!



▼ 過去ログ /  2012年05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2013年01月 02月 03月 04月 05月 06月 08月 12月 
2014年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 10月 11月 
2015年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2016年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 11月 
2017年06月 07月 11月 

topに戻る / Please do not use any texts and images on my site without permission.  禁・無断転載